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J医科大学、生物学実習(1)最初は楽勝よ

医学とは関係のない一般教養科目のなかで、
医学に近い科目はあった。
生物学と呼ばれた学問だ。

授業も数学ほど分かりにくくなく、講義を
聴いていれば何とか理解はできた。

実習も、最初は顕微鏡をのぞきながら、
微生物をスケッチしたり、たまねぎの細胞を
スケッチしたりした。

ツリガネムシ、ノコギリオニワムシ、
ビワクンショウモ(なんじゃそりゃ)
なんかを顕微鏡で見ながら、
「指定された」硬い鉛筆を使って、
丁寧に記載したんだ。

鉛筆を指定されているっていうのが、
J医大のこだわりかっ?
posted by ゆうき at 13:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(2)まだまだ楽勝よ

学籍番号の近い同級生たちと談笑しながら、
午後の穏やかな陽が射し込む実習室で、
のんびりとした時間を過ごしていた。
(こういう実習はいいよね)

それ以外の実習は、夜遅くまでかかったり、
理解不可能な内容だったからね。
でも、生物学は分かりやすく、簡単だった。

「明日の実習、何だっけ?」
私がそう聞くと、
「明日は生物だよ」
ムーミンはそう答えた。

互いに顔を見合わせながら、楽勝じゃん、と
言い合った。
posted by ゆうき at 13:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(3)進化する生物学実習

しかしその生物の実習も回を重ねるにつれ、
冗談じゃないよ、という類の内容に
レベルアップしていった。

微生物のスケッチの後は、細胞分裂の
スケッチへとランクが上がり、次に
ハマグリの解剖があった。

身がすべて貝から取り出されて、
死んでいるはずのハマグリの心臓が、
ながーい間、どくどくと拍動していた。

それを見た瞬間に、私は気が遠くなるような
そんな気がした。

理論的には納得できるはずのその場面が、
どうも私には耐えられなさそうだった。
posted by ゆうき at 13:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(4)ハマグリの解剖

学籍番号の近いムーミンをそっと観察してみた。
か弱いムーミンは、泣きながらやっているんじゃ
ないだろうかと思ったからだ。

でもムーミンは、ニコニコと朗らかに微笑みながら
ハマグリの解剖をやってのけていた。

その後も居酒屋で、顔をしかめる私の目の前で、
焼きハマグリをばくばくと食べていた。
(学籍番号が近いと、飲みに行く機会が
増えるのだ)

この姿を見た瞬間、人は外見では判断できないと
しっかりとした教訓をつかんだのだ!

その実習から今なお、私はアサリは
食べるけど、ハマグリは絶対に食べない。
いや、食べることができない。
パカッと、貝が開いたハマグリを見ると、
あの実習を思い出すからだ。
posted by ゆうき at 13:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(5)蚕の解剖

ハマグリの次は、なーんと、蚕の解剖だ。
いや、これは恐怖の実習だった。

うちのウサギは虫に遭遇するとびっくりして
固まっちゃうけど、私も全くおんなじだ。
虫、毛虫、蝶、みんな怖い。

私は、哺乳類以外の生き物は、苦手なんだー。

まず、蚕の全体像を詳しくスケッチ。
(もぞもぞと動いているんだよ、トレーの
上で。想像するだけでも鳥肌が立つ)

次は、蚕さん(さん付けにするね)を
仰向けにして、頭から肛門まで切開し、
(蚕さん、本当にゴメン)小腸や気管を
詳しくスケッチする実習だったのだ。
posted by ゆうき at 13:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(6)ムーミンの無垢な瞳

私はそこで、信じられない光景を見た。

ムーミンが顔色一つ変えずに、「素手で」
蚕さんをつまみ、顔ぎりぎりに近づけて、
覗き込んでいたのだ。

信じられない・・・。

ムーミンの目は、純粋だった。
私はその無垢な目を見た瞬間、もしかして
この人は、少しまずいんじゃないかと
真剣に思ったほどだった。
(そんなことはなかったけどね)

私は蚕さんの、のっそりのっそりした
一挙一動に反応し、ほとんど気を失いそうに
なりながら、この魔の時間を耐えた。

試験地獄よりも、私はこの実習が、
とても厳しかった記憶がある。
posted by ゆうき at 13:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(7)生きた車えび

今でも、頭のついた魚はお手上げだ。
あの白い目で見つめられるとすくんでしまう。
生きて飛び跳ねているものなら、尚更怖い。

海の近くの病院に勤務していた時、よく、
釣ったばかりの魚をいただいた。
顔では笑って、こんなイキのいいものを、と
お礼を言い、客が去った瞬間、近所に分けた。
私に魚がさばけるはずがない。

ある日、おがくずの中に入っている、生きた
車えびをいただいた。
木箱の蓋を開けた瞬間、おがくずがある。

何だ、これ? 
手を突っ込みそうになったが、嫌な予感がして
ためらった。
説明書を読むと「生きた」車えびと書いてある。

跳ねて料理しにくい時には、冷蔵庫の中に
数日置いておくと、おとなしくなります、と
説明してあった!

読んだ瞬間に、私はためらわず蓋を閉じたよ。

posted by ゆうき at 13:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(8)車えびの行き先

生きた車えびが、この箱の中にたくさん
詰まっていると思っただけで落ち着かない。
このままゴミ箱に・・・とバカなことを
思ったが、送ってくれた人は大切な友人。

意を決して、上の階に住んでいる、
副院長宅に持っていった。
副院長の奥さんは、料理上手。魚もさばける。

はーいと出てきた奥さんの顔を見て、
私は叫んだ。

「こ、この箱の中に、生きた車えびが
たくさん入っているみたいです。
怖くてさわれないので、一緒に分けて
くれませんかっ!」

笑いながら奥さんはひょいっと蓋を開け、
「素手で」おがくずをよけた。

その瞬間に、えびが空中に、ビョーンと
跳んだのだ。
posted by ゆうき at 13:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習

J医科大学、生物学実習(9)

ぎゃーっと叫びながら、私はしりもちをついた。
のぞき込んで見ていた副院長の次男も、
うわっと叫んで、一緒にしりもちをついた。

私は大人、次男は小学生。

「も、もういいですっ。それ全部あげますっ」
私ははるか遠くから叫んだ。

「どうして外科の先生なのに、こういうのが
だめなの〜?」

奥さんはあの時のムーミンのように、びちびち
跳ねるえびを素手でつかみながら、のんびりと
言ったのだ。

だめなものはだめなんだ!と叫びながら、
私はその箱を残して、自分の部屋に避難した。

翌日、料理上手の奥さんが、そのえびを使った
豪華な料理を差し入れてくれた。
(料理になってしまうと、平気)
とっても美味しかった。
posted by ゆうき at 13:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、生物学実習
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