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パンダの目 その1(1)酔っぱらって尾骨骨折

私たち2年生が連日の実習に追われる時期と、
一つ下の新入生歓迎会の時期はほぼ一緒。

忘れもしない4月28日。
(なぜ覚えているんだ!?)
福井県人会の新入生歓迎会が行われた。

県人会全員が学生寮に住んでいたため、
集合時間の5分前に、私の同期のよこちゃんが、
寮内に放送をかけた。

「福井県人会のみなさまは、新入生歓迎会に
出かけますので、大ラウンジにお集まり下さい〜」

広い寮内に、よこちゃんの抑揚のない声が響く。
注:よこちゃん 男

大ラウンジとは、学生寮の玄関を入った正面に
あるロビーのこと。
ロビーといえば聞こえはいいが、実際は砂だらけで
ホコリっぽく、小さい体育館のような場所だよ。

大抵ここで待ち合わせしたり、深夜、
酔っぱらった学生が突然出没する、妙な場所だ。

ある先輩は、酔っぱらった挙げ句、大ラウンジの
窓の柵をのぼり、
「蝉だ〜」叫びながら、「ミ〜ン、ミ〜ン」と
鳴いている間に手が滑って、高いところから落下。
尾骨を骨折したらしい。
すごいや。
いや、人のことは言えないな。

posted by ゆうき at 05:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | パンダの目 その1

パンダの目 その1(2)急性アル中は、恥ずかしいよ

一つ隣の駅近くの寿司屋が今日の歓迎会の場所。
店からバスが到着し、福井県人は目的地に向かった。

「ここの筋肉の名前は?」
「ここの神経はっ?」

バスの中でも先輩たちに解剖の試問攻撃を受け、
「おいおい、これが分からないと、やばいよ」
と、さんざん、プレッシャーをかけられた。

あまりに悔しかったので、私も来年、一つ下に
諮問攻撃をしようと心に誓った。

当時は今と違って、まだ、一気飲みをする
学生がいた。
(注意:飲めない人には絶対に無理に勧めては
いけないよ、医者のはしくれなんだからね)

まだまだスマートじゃない飲み方だったな。

新入生は歓迎会で潰れるのが当たり前、という
風潮で、1年前も同期のよこちゃんは、
勧められるままに酒を飲み、早い時間に寝ていた。

しかしやはり医学生。
飲んでいても観察力は衰えず。
飲めないと分かった時点でストップをかける。
危険を察知すると、上級生が中に入ってきて、
「もうそれ以上はダメだ」と、言ってくれた。

しかしそうは言っても、新入生歓迎会の時期に
なると、大学の救急外来には、毎年数名の
急性アルコール中毒の学生が受診するらしい。
教授会でも問題になっていたね。

同級生にも運ばれた人がいて、尿道に
バルーンを入れられていた。
かわいそうになあ。でもま、いい体験だ。
posted by ゆうき at 05:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | パンダの目 その1

パンダの目 その1(3)素行の悪さ

「まあ、飲めよ」
そう言って、ビール瓶を持つ上級生が目の前に
現れたら、コップに残っているぬるくなった
ビールを空にして、先輩の前に差し出した。

注がれたコップに口をつけず、そのまま
テーブルに置くのはいけないような気がして、
必ず一口は飲んだ。

更にビール瓶を持つ先輩が、
「重いなあ、このビール」
とつぶやいたら、はーい、と答えてコップを
空にした。
(ま、それができる体質だったってわけ)

「ちょっと私の手には重いなあ、このビール」
と、間違ってコワイ先輩相手に言った時には、
さんざん怒られて、反撃をくらった。

誰も私には、容赦しなかった。
入学した頃は、福井県人会に初めての女子学生。
おいおい、やっていけるのか、大丈夫か?
とたいそう心配されたが、ほんの1年の間に
遠い話になってしまったよ。

自分がこんなに適応能力のある人間だとは。

でも、私の素行のおかげで、私が卒業するまで、
福井県人会には、女子学生が入らなかった。
「橘先輩のあとは、6年以上も、女子学生、
入らなかったですからね〜」
「今は毎年入ってきますよ〜」
と、今でも後輩の医師に言われる。

posted by ゆうき at 05:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | パンダの目 その1

パンダの目 その1(4)準・神様5年生

まあ、連日実習のストレスもあり、一つ下の
新入生歓迎会では、私もたいそう、大暴れした。
始まって2時間も経たないうちに、新入生
2人は、すでに寝てしまった。

「お開きにしよう。2次会は俺のラウンジでするから」
という、5年生の一声で皆、立ち上がった。
(ちなみに今は、許可がないと、寮内で
飲酒はできないらしい。当時は自由だったな)

さっき、集合場所に使った体育館のような場所が
大ラウンジなら、いくつかの部屋に囲まれた
小さい空間を、小ラウンジ、と呼んだ。

5年生の先輩の部屋の前のラウンジを、二次会の
場所にするという。
これは、5年生にしかできない提案だ。

ラウンジで大騒ぎすると、周りの部屋の人たちが
うるさくて眠れない。
しかし上級生には意見できないから、ひたすら
我慢するのだ。
年に何度もあるわけではないからね。

6年生はすでに部外者。
毎日夜遅くまで病棟に詰めていたり、更に総合判定
という、J医科大学では泣く子もだまる大きな
試験に向けて勉強を開始している時期だからだ。

部屋ではなく勉強会室にこもっている人が多い。

posted by ゆうき at 05:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | パンダの目 その1

パンダの目 その1(5)恐怖の総合判定試験

ちなみにこの、総合判定。
国家試験に準じた出題だが、レベルは高い。
6割正解したら、上位10名に入るほど。

今は時代の流れで、もう少し、国家試験に
近いレベルになっていると思うけどね。

難しいからプレッシャーがかかる試験というより、
順位が発表されるから大変だったのだ。

しかもこの判定試験、卒業できるかどうかの
判断基準になる。

「総判、何番だった?」
そんな会話が繰り返され、卒後も、この総合
判定の結果が、出世に響くと言われていた。
(ホントかな)
そんなことはないと思うけど、そう信じられていた。

学生の時って、なんていうか、野心家だよね。
いつかオレは、教授になるぞーとか思っている人は、
そのために学生時代に必死になるのだ。
野心が続けば、教授になれるよ、きっと。

でもね、何度も言うように、学生時代の成績と、
医師になってからの能力は、それほど比例しないな。
医師になってからは、人とのつきあい方、感情の
コントロールの仕方、学問以外の要素も大きいからね。

トップで卒業しても、患者さんやスタッフに
人気がなくって、冷や飯食っている人もいるしね。

というわけで、この時期、医師に一番近い6年生は
蚊帳の外。
5年生が県人会の一番の権力者だったってわけ。
posted by ゆうき at 05:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | パンダの目 その1
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