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J医科大学、入寮の日(1)J医大駅を通過する新幹線

4月1日。いわゆるエイプリルフールの日。
私にとっては二度目の大学構内の土を、今度は
強く踏んだ日。
(雪降ってなかったし)

その日は入学式を翌日に控えた入寮日。
雨上がりのすっきりとした晴天だった。

J医大は、上野から電車で1時間半。
新幹線は駅を通過してしまうのでちょっと不便。
早く駅に新幹線が停まるといいね。

昔の大学案内には、大学環境について、
こう書かれている。
(現在のはホームページで見てね)

『若草萌える、下野(しもつけ)の、
みどり松原、風うたう♪』(J医大校歌)

『J医大のキャンパスは都会の喧噪を離れ、
緑豊かな自然環境に恵まれた土地に存在する』
(みんな校歌を知っているか〜?)

つまり、田舎にあるってことだね。
更にこう続く。

『付近には、くすし(薬師=くすりし=医者)とも
縁りの深い薬師寺があり、医術を学ぶには
最適の環境が整っている』

6年いたが、薬師寺の場所を知らない。
薬師寺の存在を思い出すのは住所を書く時だけ。
住所に薬師寺と入るのだ。

続けて大学案内を読んでみる。

『鬼怒の清流を偲びながら、『医の心』を磨くのも、
明日の医療を担うキミたちにとっては、
絶好の環境に違いない』
キミたちとカタカナで書いてあるのがすごいよね。

その通り。絶好の環境には違いなかった。
今はもう大学の周りには様々な店が乱立し、
時間を潰せるようになったが、当時は車がないと、
とても不便な場所だったのだ。

ともすると、学生寮と大学の往復だけで、
ひと月もふた月も経過していた。
何にもすることがないから、勉強せざるを
得ない環境であったのは確かだった。
 
posted by ゆうき at 09:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、入寮の日

J医科大学、入寮の日(2)女子学生の寮ってどこ?

さて、入寮の日の朝。
精一杯よそ行きの格好をした私と両親は
タクシーから降りた。

「J医大の学生寮に行って下さい」

運転手さんにそう伝え、停車した場所は、
看護師寮と書いてあるところだった。
(当時は看護婦寮ね)

「女子学生だから、看護師さんと同じ寮だよね」

私も両親も何の疑問も抱かず、寮の門をくぐった。
しかし入寮の日とはいえ、あまりにも閑散としている。
合格した女子学生は10名と聞いていたが、
それでもこの寮の雰囲気は何か妙だ。

すぐに何かがおかしいと感じた勘の鋭い私たち。
もしかして日を間違えたか?

「すいません。今日、入寮してきた者ですが」
玄関にいた女性、今から出勤する看護師さん
だったが、不信げな目でじろっとにらまれた。
posted by ゆうき at 09:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、入寮の日

J医科大学、入寮の日(3)医療従事者は愛想がない

「あのー」
再度、その看護師さんに聞いてみた。
「ここは違います!」
怒ったような口調でそう言った。
 
もし彼女が神経内科の看護師で、
ナースステーションにいる時に、
「あのー、ここは脳外科ですか?」
と聞かれたら、同じように冷たい目をして、
「ここは違います!」
と面会の人に言うのかな?

それとも仕事の時は、親切なのかな?
患者以外の見知らぬ人には、医療従事者は
意外に愛想がないと知ったのは、
社会に出てからだった。

私もどちらかというと、外では無愛想。

現場で多くの人と話すため、プライベートに
なると気が抜けて、とたんに無口になることも。
やっぱり余裕がないと、人には優しくできない。

白衣の天使のイメージが初日から崩れた私は、
出端をくじかれたような気がした。

一体私たちはどこにいけばいいんでしょう? 
なんて、とても聞けない雰囲気で、
仕方なくすごすごとその寮を後にした。
posted by ゆうき at 09:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、入寮の日

J医科大学、入寮の日(4)6年間一環して寮生活

途方に暮れて道路にたたずんでいると、
通りかかった事務職らしき男性が、
目的の学生寮の場所を教えてくれた。

世の中には親切な人もいるもんだと気分を変え、
足取り軽く目的地までの5分の距離を歩いた。

門の前に立つと、「学生寮」とそのまんまの
ネーミング。
青い芝生の上に、三階建ての横に長ーい
レンガ造りの建物だった。
外観はとっても立派。
(今も新幹線の窓から見ると立派)

J医大は開学以来、
現在も全寮制のシステムをとっている。
 
再び大学案内から文章を抜粋してみる。
(この文章は、当時と全く変化なし)

『J医科大学では、6年間一貫して寮生活を送ります。
そのための学生寮が完備されています。
全寮制としたのは、学生に共同生活の体験を通じて、
規律の遵守、責任感の涵養、協調自立の精神の高揚を
図り、真に医の倫理に徹したヒューマニズム溢れる
医師を養成しようとする大学の教育理念に基づいています。
全寮制を採ることにより、教室の内外を問わず、
教員と学友との人格交流を深めるとともに、
クラブ活動をはじめとする充実した学生生活を
保証し、教育効果の向上をねらいとしています』

posted by ゆうき at 09:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、入寮の日

J医科大学、入寮の日(5)一貫寮生活の功罪

6年間寮で生活した結果、大まかには書いてある
通りだが、微妙に違う箇所がある。

結局は人それぞれ。
寮生活が自分の体質に合う人と、
そうでない人がいる、という事実だ。

大学と目と鼻の先にある寮は、
自分の体質にさえ合えば、本当に便利。
授業の始まるほんの10分前に起きてすぐ講義に
出席し、昼には横になるために帰ることもでき、
試験前には情報が飛び交い、県人会(というのが
あるんですね)の集まりにも簡単に集合でき、
コピー機も完備され、寮食堂もある。
しかも個室。

あまり気にならないタイプの人間には、
非常に最適の環境だ。

しかし逆にそうではない学生に全寮制を
押し付けると、医師になる予定だった人が
途中で挫折してしまう可能性もある。
 
実際、寮生活が合わなくてやめた学生もいる。
神経質で他の干渉を嫌い、一人の時間を大切に
するタイプの学生にとっては、最悪の環境だろう。
 
当時私は、寮生活に耐えられない学生は、
医師の素質がないんじゃないかと思っていたが、
今はそうじゃないことが分かる。

何度も言うように、多様な人がいるのだから、
多様な医師がいていいはずだ。
寮生活でなければ追いつめられなかったかも
しれない、感受性豊かで繊細な、素晴らしい医師に
なる予定だった人が、その環境だけで挫折して
しまうのは、とても忍びない。

現在は建て替えが決定し、もう少しプライベートが
確保できる環境に変える予定らしい。
だから、寮生活に不安のある受験生も大丈夫。

寮生活だと、学生同士で酒ばかり飲んで羽目を
外したり、つるんで遊んでばかりいて勉強しない、
とよく言われるが、どうだろう。

寮生活だからこそ、いつでもどこでも友人達と
集まって勉強でき、励ましあえる。
(医師国家試験合格率がトップなのは、
きっと、こういう環境だからだと思うよ)

J医大の特徴である全寮制が次第に解体していくのは
何だか寂しいが、時代の流れには勝てないだろう。

そういえば、昔、学生寮に住んでいた教授がいたなあ。
posted by ゆうき at 09:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | J医科大学、入寮の日
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